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危険ハーブ、覚醒剤、麻薬

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オピオイド系鎮痛剤乱用が招く腎不全と脳視神経疾患

2023年9月から10月ごろに首都圏の大学運動部を中心に薬物汚染が次々に明らかになっていますが、まだまだ氷山の一角、おそらく地方都市にも拡がっているでしょう。 社会問題化している薬物汚染の渦中に飛び込んできたのが合成大麻成分*HHCHを主成分とする大麻グミ事件とオピオイド系鎮痛剤のネット通販拡大策. *HHCH:(hexahydrocannabihexol:ヘキサヒドロカンナビヘキソール)大麻のカンナビノール合成成分HHC、THCH(テトラヒドロカンナビヘキソール)が規制対象となったために、新たに開発された脱法目的合成物質 ノギボタニカルでは2000年ごろより脳視神経、腎臓、肝臓障害の原因となる、スポーツ選手のドーピング、覚せい剤乱用に関し、世界の実態を取材しています。 この秋のオピオイド系鎮痛剤蔓延の異常事態にあたり、これまでの関連記事より部分抜粋いたしました。 1. 社会問題化するオピオイド系鎮痛剤蔓延 日本は先回の法改正によりネットやコンビニで容易に医薬品が買えるようになり、アマゾンにも自社ブランドの麻薬系鎮痛剤、「PHARMA CHOICE」の麻薬系咳止め薬「コンコン咳止め錠 ...
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麻薬のルーツは麻黄(Ephedra sinica:エフェドラ)のアルカロイド エフェドラ・アルカロイドから作られた神経毒のエフェドリン(ephedrine)
エフェドラ・アルカロイドから作られた神経毒のエフェドリン(ephedrine)

フタマタマオウ(マンシュウマオウ):Ephedra distachya Linn 1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)のサプリメント  米国では2004年4月から、エフェドラ(Ephedra)とエフェドラから抽出されるアルカロイド成分のエフェドリン(ephedrine)のサプリメントが、実質的に販売できなくなりました。 エフェドラは日本でマオウ(麻黄:Ephedra sinica STAPF )とよばれる生薬植物。 米国では2004年までは自由に製造販売されていましたが副作用の心臓血管病,心拍異常,けいれん発作,精神異常などが多発し、死亡者も出ていました。 米国の販売禁止は2004年2月にFDAにより制定された新規則が、2ヵ月間の猶予をおいて、4月8日から施行されたものです。 エフェドラは神経に作用する植物毒(アルカロイド)を含有します。 ダイエット効果(脳神経に働き、食欲不振になる)を期待するサプリメントが普及していましたが、性的享楽、ボディービルディング、エネルギー増強、花粉症対策などにも使用されていました。 永らく販売が自由であった米国でしたが、エフェドリンの服用量...
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長寿社会の勝ち組になるには(その42): FDAがベルビーク(Belviq)抗肥満薬の発がん性に警告 限られた専門家のみが使用すべき医薬品

2020年の初場所であり、令和時代初となる大相撲が終わりましたが、コロコロ転がり、 怪我をする力士が目立ち、横綱、大関など上位力士の欠場も相変わらずでした。 けいこ不足を指摘する評論家もいますが、肉体的に筋肉と脂肪のバランスが 取れていない体重過剰力士が多いようです。 伝統的な過食による体重増加に加え、昨今の巷にはプロテインと称するアミノ酸や ビタミン剤、中枢神経刺激剤など筋力や体重を増加させる薬物が溢れています。 人工的に作り上げた体重と筋力のアンバランス。 大陸の野生動物保護区では、水は補給することがあっても餌は補給しません。 餌は野生の状態にしておかないと、肥満により病弱な動物となるからだそうです。 技術が同じならば格闘技の強さは体重に比例しますから、 人工的重量力士が増えるのも止むを得ないのでしょう。 相変わらず変革できない砲台状の土俵が危険なのはわかりますが 受け身の転がり方もできない人工的重量力士は、まさに軟弱な張り子の虎。 医薬品やサプリメントで体重をコントロールすることの危険性を指摘している 関係者にとって頭痛の種ですが、プロの大相撲はともかく、医薬品の乱用は 青少年の...
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全米を震撼させた麻薬系鎮痛剤のオピオイド危機(後編)

長寿社会の勝ち組になるには(その40 ): オピオイド危機と日本の実情 1. 日本の若者が麻薬系鎮痛剤のブロン、パブロンを乱用 米国や日本では、これまでも、現在も、麻薬系鎮痛、咳止め剤の用途は半数以上が 医療用ではありません。 今年(2019年)8月、厚生労働省は最新の実態調査の結果として、特に10代の若者が せき止め薬やかぜ薬の市販薬である麻薬系鎮痛咳止め剤のブロン、パブロンなどを 乱用していると発表。 最近では東京都の公園のトイレに大量の麻薬系鎮痛咳止め剤ドリンクボトルが 捨てられているのが写真付きのニュースとなりました。 日本は法改正によりネットやコンビニで容易に医薬品が買えるようになり、 アマゾンでも自社ブランドの麻薬系鎮痛剤を売るような構造。 法改正で最も恩恵を得たのは麻薬系鎮痛剤メーカー。 大手医薬品会社は社会問題化を回避、製造販売をしませんから、中小メーカーの独壇場。 米国では"オピオイド危機:The Opioid Crisis"(前編参照)以来、 製造会社、販売会社が次々に葬られており、統計が確かな国々の販売量比較では 販売規制が無い日本がトップではないかといわれていま...
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全米を震撼させた麻薬系オピオイドの危機と背景(前編)

長寿社会の勝ち組になるには(その39): 「浜の真砂は尽きるとも-------」覚せい剤、麻薬の常習者は尽きません。 複雑な現代社会、精神を病める若者が薬物に依存するトレンドは先進国ばかりでなく 発展途上国にも共通する社会問題。 薬物に汚染される動機や経緯は様々ですが、国際社会が危惧を抱くのは、 スポーツ選手のドーピングを含めて、いずれも究極は呼吸障害、脳神経障害、肝臓、 腎臓障害を発症し、廃人へまっしぐらとなるからでしょう。 最近話題となった女性芸能人Eさんのケースを含めて 静かに広まっている芸能人の汚染拡大はニュースとなりますが、 報道されない、悩める若者の汚染急増がより深刻です。   1. 日本ではネット、コンビニで麻薬系鎮痛剤の売り上げが急増 この10月(2019年)に20年間にわたり全米を震撼させた麻薬系鎮痛剤による ”オピオイド危機”が最大の麻薬系鎮痛剤製造会社の倒産(後述)により終盤を迎えました。 日本では現在もブロンやパブロンなどの麻薬系鎮痛剤が市販されており、 一度に数百錠もの過剰摂取や乱用が社会問題となっています。 MDMAなどの覚せい剤より安価で誰でもが手に入る麻...
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巨人軍推奨サプリメントのドーピング疑惑

1. 巨人軍推奨サプリメントのドーピング疑惑 プロ野球読売巨人軍(以下巨人)は今年のセントラルリーグ優勝を 9月21日に決めましたが、25日になり、球団選手の衝撃的なドーピング疑惑ニュースが 報道されました。 内容は巨人とオフィシャル・ニュートリションパートナー契約を 結ぶ会社のサプリメント「アイアンSP」から世界ドーピング機関(*WADA) 指定禁止薬物(筋肉増強成分)が検出されたこと。 巨人選手を中心にプロ野球セパ両リーグに所属する選手が使用していたそうです *World Anti-Doping Agency 2. ドーピング禁止薬物発見が25日に発表されたタイミング 疑惑が報道された9月25日は永年、リーグ壱の捕手として攻守に大活躍した 阿部選手の引退会見が開かれていた日。 引退を待っていたかのようなタイミングで報道されたことで、ネット上では 様々な憶測が飛び交っています。 公式には阿部選手の引退はコーチになって修業し原監督の後継者になるための 既定路線といわれますが、スターティング出場機会が増えてきた 今シーズン後半の阿部選手は、誰もがまだ数年はやれると考える 素晴らしい成績。...
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毒性が旨味(うまみ)となるキノコ毒素(mushroom toxin): 食用といえども食べ過ぎは危険

フランスで ジロール(girolle)と呼ばれる天然のアンズタケ(写真上:仏ナント)) ヨーロッパ大陸、北米などでも人気の食用キノコ(Cantharellus cibarius) 1.食用になるキノコは約300種類 (写真上)初秋の華は松茸.定番は網焼き、すき焼き、土瓶蒸し   (写真上)食用となる卵茸(たまごたけ:Amanita hemibapha) 猛毒で知られるアマニータ属に関わらず広く食されている。(神奈川秦野産) きのこは世界に10,000種類以上は確認されているといわれますが、 日本には推定2000種前後が自生し、 食用になるものは約300種、市場価値がある ものは栽培種を含めて約20種です。 写真下のマツタケのように栽培が困難な食用種を除き、 美味しいキノコはほとんどが栽培種。 栽培種のほとんどは天然と種菌が同じというだけで栽培種に同名がつけられていますが 外見も味も異なるものがほとんど。 天然の味覚にはかない ません。 写真下左が最高級といわれる丹波産まつたけ. 中国、韓国、カナダ、チベットなど輸入物が乱入する市場ではコストパフォーマンスが良いとは言えない。   全国区...
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アナボリックステロイド(THGなど)と アンフェタミン 型覚せい剤

2013年7月にドーピングに使われるアナボリックステロイド(蛋白同化ステロイド類)とアンフェタミン (Amphetamine) 型覚せい剤疑惑が再び米国プロスポーツ界で浮上。 メジャーリーグベースボールではヤンキースのアレックス・ロドリゲス以下20名以上が 疑惑の渦中といわれます。     1.国際オリンピック委員会が禁止するドーピング薬物 国際オリンピック委員会が禁止するドーピング薬物には、以下のものがある(京都大学体育指導センター2003年資料より)。 興奮剤(アンフェタミン、フェンテルミン、メチルエフェドリン、コカイン等) 麻薬(モルヒネ等) 蛋白同化剤(ジヒドロテストステロン、オキシメトロン、テストステロン等) β遮断剤(ベタクソロール等) 利尿剤(フロセミド等) 隠蔽剤(エピテストステロン) ペプチドホルモン(人成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン等)     2.テトラハイドロゲストリノン(Tetrahydrogestrinone:THG) テトラハイドロゲストリノン(THG) は10年前に米国メジャーリーグを大騒動に巻き込んだ空前のドーピング事件(THG事件)に関わった カ...
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ステロイドホルモンが過剰免疫作用をコントロールする

ステロイドホルモンは副腎皮質から分泌されることから別名が副腎皮質ホルモン。 ステロイドとは生体で合成されるコレステロール、胆汁の胆汁酸に代表される有機化合物の総称。 生物の細胞膜の構成に重要な脂質成分であり性ホルモンとも密接な関係があります。 アレルギーなど過剰免疫作用を抑制する通称ステロイド医薬品はステロイドホルモンの コルチゾン(cortisone) やコルチゾール (cortisol)。 中枢神経が副腎皮質ホルモン分泌量を左右することからアレルギーやアトピーの症状は 脳神経の働きと密接な関連があります。 また副腎皮質は躁鬱(そううつ)と関係するアドレナリンも分泌します。 1.ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン:adrenal steroid hormone)とは 副腎(adrenal gland)の外側の部分にある副腎皮質(adrenal cortex)から分泌されるのが 副腎皮質ホルモンで、略称してステロイドホルモンとも呼ばれます。 ステロイドホルモンは血糖、脂肪、電解質、骨、筋肉などの代謝に関連の深い物質です。 2.副腎皮質の構造 副腎皮質の構造は三層から構成されており、各...
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麻薬、覚醒剤となるエフェドラのエフェドリン

麻薬、覚醒剤となるエフェドラ(Ephedra)のエフェドリン(ephedrine): 芥子(けし:Papaveraceae)のアルカロイドのアヘン、モルヒネ   など植物由来のアルカロイド麻薬 1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)由来のサプリメント 米国では2004年4月から、エフェドラ(Ephedra)とエフェドラから抽出されるアルカロイド成分のエフェドリン(ephedrine)のサプリメントが、実質的に販売できなくなりました。 エフェドラは日本でマオウ(麻黄:Ephedra sinica Stapf)とよばれる生薬植物。 米国では2004年までは自由に製造販売されていましたが副作用の心臓血管病,心拍異常, けいれん発作,精神異常などが多発し、死亡者も出ていました。 米国の販売禁止は2004年2月にFDAにより制定された新規則が、2ヵ月間の猶予をおいて、 4月8日から施行されたものです。 エフェドラは神経に作用する植物毒(アルカロイド)を含有します。 ダイエット効果(脳神経に働き、食欲不振になる)を期待するサプリメントが普及していましたが、ボディービルディング、エネルギ...
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キラー・ドラッグの2C-B NBOMeとは

覚醒剤で極度に錯乱した若者による重大な交通事故や 殺人、傷害事件が多発するようになりましたが、 その背景はドラッグ取引価格の急騰により、粗悪で毒性の強い 格安代替品の蔓延。 各国が年々覚醒剤の取締りを一段と強化し、 これまでの覚醒剤供給量が細っているからです。 1.エヌ・ボーム(NBOMe)とは エヌ・ボーム(NBOMe)は本来メトキシベンジル(N-methoxybenzyl.)を指しますが、 一般的にNBOMeと呼ぶときは様々なタイプのNBOMe入り覚醒剤を 指すようです。 その中で最も一般的なのがシュルガン博士(Dr Alexander Shulgin.)が発見した フェネチルアミン2C系幻覚剤(2c family of phenethylamine psychedelics). このファミリーの一つ2C-Bはエクスタシー(MDMA)の代替品として 1990年代に一般的になったものです。 この派生品には25B-NBOMe.、25I-NBOMe 、25C-NBOMeなどがあります。 NBOMe自体は禁止されていない国が多いようですが ネットなどで公然と売られているデザイナース・ドラッ...
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サルビア・アルカロイドは覚醒剤LSDと同じ? 植物の覚醒アルカロイド

タンジン(丹参:Salvia miltiorrhiza) サルビア(セージ、コレウス)のインドール・アルカロイド 1.サルビア・ディヴィノルム種の幻覚物質(hallucinogens) 夏から晩秋までは、様々なサルビアが咲き続けます。サルビアはしそ科(Labiatae)の多年草で、 同類のコレウス(コリウス)と呼ばれる種類を含めて世界に700種類以上の栽培種があるといわれます。 観賞用の園芸種も多数作られていますが、花の少ない時期に咲く貴重な草花です。 食用にされる種類はセージと呼ばれますが、この分野も人造品種、園芸品種が多く、 区別が難しいために食中毒が絶えません。 このサルビア類には、中枢神経に作用する、インドール・アルカロイド(indoles alkaloids)を 持つ種類がいくつか知られています。 特にサルビア・ディヴィノルム種の幻覚物質(hallucinogens)はメキシコ現住のマザテック・インディアンが宗教儀式に使用していたことから、合法ドラッグと称して世界中に広まり、 危険な副作用が懸念されています。 2.食用、薬用のサルビア(Salvia) コモン・セージ(Comm...
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MDMA(エクスタシー)の重篤な健康被害: 米国を蝕む覚醒剤MDMAの恐怖

1.急増する世界のMDMA汚染 2004年ごろから、日本では覚醒剤のMDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン)の輸入密売が急増。 2004年は前年度比200%を超える約41万錠が押収されましたが、2005年の2月11日に埼玉県で 摘発されたケースは史上最大の規模で約29万錠、末端価格で11億円強ともいわれています。 日本の2013年押収量は約850キロ、2012年に較べ倍増。1グラム7万円といわれますから 換算してみてください。 12年の中国16,000キロ、タイ10,000キロには及びませんが日本でも着実に覚醒剤汚染が進んでいます。 (錠剤の重量換算は不明) 覚醒剤のMDMA汚染は若年層を中心に世界中で急増しており、健康への新たな脅威となりました。 特に米国社会の汚染は深刻。 国際警察(Interpol)のMDMA押収データは新しいものが入手できませんが、 1999年の世界レベルの押収量は2200万錠といわれており、これは前年の約4倍増となります。 このうち米国での押収量が半分以上を占めます。 1999年のヨーロッパ全体の押収量は141万錠で、これも前年(1998年)の約3倍増。 ...
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マジック・マッシュルームの幻覚作用:毒素シロシビンとは

脱法ドラッグと通称される幻覚物質は世界中で販売されていますが 特別に希少性があるハーブやキノコ類ではないために、安価で手軽に 手に入ります。 このドラッグが危険なのは習慣性を持ち、覚醒剤の入門ドラッグ となることにより、覚醒剤、麻薬へと進むこと。 またMDMA、PMA(後述)などの覚せい剤をハーブやキノコに混入させた ドラッグがあることです。 脱法ドラッグが危険なのは吸飲者が予想するより作用が強く、 常習により脳神経を侵され続けるうちに社会生活が困難な 廃人状態になること。 (参考記事) 幻覚作用を起こすアルカロイドはインドール(indoles)と呼ばれる、 アミノ酸のトリプトファン(tryptophan)由来の構造を示すものが大部分。 これは強い有毒性を示すキノコ毒アマニータと同様な構造です。 1.覚醒剤常習者は複数の薬剤を使用します。 覚醒剤のMDMAが怖いのは、混ぜ物(adulterants)が多いことです。 MDMAは他の薬品が混入された場合や他の薬品と併用した場合に 事故率が急激に高くなることが多いそうです。 混入の場合は使用者がそれを存知していないことがほとんどといわれます...